相場もわからんのに、単価交渉なんてできるんか
正直に言うと、単価交渉は怖かった。自分がやってるのは医療系YouTubeの動画編集で、副業として始めてまだそんなに経験もないし、相場がいくらなのかもハッキリわかってなかった。「高すぎる金額を言ったら愛想尽かされて案件ごと切られるんちゃうか」という不安が、交渉のたびに頭をよぎる。
それでも、今は同じクライアントさんから継続で8件ほど依頼をもらっていて、契約から4ヶ月ほど経つ。今回はその中で実際にあった単価交渉の話を、当時のやり取りも交えながら書いておこうと思う。
きっかけは「レスポンスの早さ」だけやった
この案件、そもそも継続してもらえるようになったきっかけは、特別なテクニックではなかった。ただ普通に納品しただけ。ただ、連絡に対するレスポンスだけは早めに返すことを意識していた。派手なアピールをしたわけではなく、地味な信頼の積み重ねが継続につながったんやと思う。
初回の単価は1本あたり3,000円(手数料を引いた手取りで1,500円ほど)。ここから、次の依頼をもらったタイミングで単価の相談を切り出すことにした。
実際にどう伝えたか
単価交渉を切り出したのは、次回案件の打診をもらった返信の中だった。「継続してご依頼いただける場合、作業工数との兼ね合いもあり、単価について一度ご相談させていただけますと」という形で、依頼を受けること自体はまず肯定した上で相談の形を取った。
金額の希望を聞かれたので、自分からは1本4,000円を提案した。相場がわからん状態やったから、この数字を出すこと自体けっこう勇気がいった。
返ってきたのは「予算上限が決まっており、3,000円までしかお出しできない」という回答。ここで単純に「じゃあ諦めます」と引くこともできたけど、代わりに工数を減らす方向で提案をし直すことにした。
「相手が嫌がらない」交渉を意識した
具体的には、次のような条件を逆提案した。
- テロップ量を要点中心に調整する
- 演出やSEを簡略化する
- 専門用語リストや参考資料を事前に共有してもらう
- 修正範囲を事前に整理してもらう
金額をただ上げてほしいと迫るのではなく、「こちらの作業負担が減れば、その分安定して継続対応できます」という理屈で伝えたつもりだ。単価交渉というと「もっと払ってほしい」の一点張りになりがちやけど、相手にもメリットがある形にしないと、関係そのものがぎくしゃくすると思ったからだ。
クライアント側からは「専門用語の共有や修正範囲の整理は次回から当方で対応します」という返事があり、単価についても「少額であれば引き上げ可能」という前向きな反応をもらえた。
着地点は3,000円。でも中身は変わった
最終的な金額は、当初の希望だった4,000円には届かず、提示額3,000円(手取り2,500円)での合意になった。数字だけ見ると「上限どおりやん」と思うかもしれないけど、内容は交渉前とはっきり変わっている。
クライアント側が専門用語リストや修正範囲の整理を担当してくれるようになったことで、以前は自分で調べながら確認していた工程がかなり減った。「作業そのものの負担を下げる」交渉が、結果的に単価アップと同じかそれ以上の意味を持つこともあるんやなと感じた。
やってみて思ったこと
今振り返ると、一番怖かったのは「金額を言うこと」自体やった。相場を知らんまま数字を出すのは、的外れなことを言ってしまう不安がずっとつきまとう。だからこそ、いきなり本番でぶつけるんじゃなくて、事前にどう伝えれば角が立たないか、何度も言葉を選んで準備してから臨んだ。
結果として、希望額そのものは通らなかったけど、関係を悪くせずに条件を変えることはできた。単価交渉は「勝ち負け」で考えるものじゃなくて、「お互いが納得できる着地点を探る作業」なんやと、この経験を通して実感している。
6件目でもう一度交渉したら、今度は「これ以上は無理」やった
単価交渉がうまくいったのは最初の1回だけではない。継続案件が6件目くらいまで進んだタイミングで、もう一度単価の相談を持ちかけたことがある。前回は工数調整とセットで話がまとまった経緯もあったから、今回もどうにかなるんちゃうかという期待も少しあった。
ただ、返ってきたのは「これ以上は難しい」という回答だった。予算の上限という壁は、こちらの工夫だけでは動かせないこともあるんやと、この時に実感した。
ここで無理に食い下がるという選択肢もあったけど、自分は方向を変えることにした。単価という切り口で交渉を続けるより、作業時間そのものを短くする方向にシフトしたのだ。以前書いたAIツールを組み合わせて時短した話は、実はこの流れの中で生まれたものだ。単価が上がらないなら、同じ時給感覚を保つために作業時間を削るしかない、という発想の転換だった。
この経験から学んだのは、単価交渉には「これ以上は動かない」という天井が案外早く来るということ。天井にぶつかったときにどう動くかまで含めて、交渉の続きだと思っている。
継続案件8件、単価交渉のシーン別早見表
| 状況 | 対応の方向性 |
|---|---|
| 初めての継続依頼 | まず受けることを前提に、相談ベースで単価の話を出す |
| 希望額が予算オーバーと言われた | 金額を下げるより先に、工数調整の逆提案をする |
| 工数調整の提案が通った | 相手側の負担が増えないよう配慮を続ける |
| 単価が据え置きになった | 作業負担が減っているかを実質的な条件として見る |
単価交渉でやりがちなミス
今回の経験を振り返って、これから単価交渉をする人が陥りやすいと感じたポイントを挙げておく。
- 希望額だけを伝えて終わる:金額の根拠や、なぜその金額が必要なのかを添えないと、クライアント側も判断しづらい
- 断られたら引き下がるしかないと思い込む:金額が難しいなら、工数や条件を調整する余地がないか探ってみる価値はある
- 交渉=対立と捉えてしまう:相手にもメリットがある提案を意識すると、話がまとまりやすくなる
- 一度の交渉ですべて解決しようとする:今回も希望額そのものは通らなかったが、条件面での改善は得られた。次の交渉につながる土台ができれば十分だと思う
まとめ
- 継続案件のきっかけは、特別なスキルよりレスポンスの早さと地道な納品だった
- 単価交渉は怖かったが、相手が嫌がらない伝え方を事前に考えて臨んだ
- 希望額そのままは通らなかったが、工数調整込みで条件面は改善した
- 今は8件の継続案件を約4ヶ月維持できていて、単価は横ばいだが安定して回せている
- 6件目でもう一度交渉したが「これ以上は無理」と言われ、そこからは単価より時短で対応する方向にシフトした
初めてのリピート案件をもらえたときの話はこちらの記事に書いているので、あわせて読んでもらえると経緯がつながると思う。
コメント