Adobe FireflyとPremiere Proを医療系動画編集で使ってみた【商用利用OKで安心】

動画編集スキル・ノウハウ

「この画像、どこから持ってきたんですか?」クライアントに聞かれて焦った話

医療系のリハビリ動画を編集していたとき、クライアントからこう聞かれた。

「この画像、出典はどちらですか?」

自分が挿入した解剖図のことだった。フリー素材サイトから拾ってきたもので、商用利用可とは書いてあったけど、正直ライセンスをきちんと確認したかどうか自信がなかった。

医療系のコンテンツを扱うクライアントは、画像の出所に敏感だ。患者向けの動画に使う素材なら、なおさら慎重になる。あのとき「フリー素材です」と答えながら、心のどこかで「大丈夫かな……」とひやひやしていた。

それからしばらくして、Adobe Fireflyを試してみた。同じAdobeのPremiere Proを使っているし、どうせなら連携できるツールのほうがいい。そう思って触り始めたら、思ったより全然簡単で、しかも商用利用OKという点でクライアントにも堂々と説明できることがわかった。

今回は、医療系動画編集の現場でFireflyをどう使っているか、実体験ベースで書いていく。


Adobe Fireflyとは?生成AIなのに商用利用OKな理由

Adobe Fireflyは、Adobeが開発した生成AI機能の総称だ。テキストを入力するだけで画像・イラスト・ベクター素材などを生成できる。Photoshop・Premiere Pro・Illustratorなど、使い慣れたAdobe製品と統合されているのが最大の特徴。

ここで多くの人が気になるのが「商用利用って本当に大丈夫なの?」という点だと思う。

他の生成AIツールだと「個人利用はOKだけど商用はグレーゾーン」というものも多い。Fireflyが安心して使える理由はシンプルで、学習データの出所が明確だからだ。

Fireflyが商用利用OKな3つの理由
① AIの学習にはAdobe Stockの許諾済み素材・著作権切れのパブリックドメイン素材のみを使用
② 対象プランにはIP補償(知的財産補償)が付いており、万が一のトラブルにも対応
③ 同じAdobeのブランドとして、クライアントへの説明がしやすい

副業の動画編集で医療系クライアントを抱えているなら、この「説明しやすさ」は地味に大きい。「Adobe Fireflyで生成した画像です。Adobeが商用利用を保証しています」と一言言えば、たいていのクライアントは納得してくれる。

Premiere ProとFireflyはどうやって連携するの?

FireflyはWeb版(firefly.adobe.com)を単体で使う方法と、Premiere Proなど各アプリから直接使う方法がある。動画編集の現場では、主に以下の2パターンで活用できる。

① Firefly Web版で画像を生成 → Premiere Proに読み込む

最も基本的な使い方。firefly.adobe.comにアクセスして、テキストプロンプトを入力するだけで画像が生成できる。生成した画像をダウンロードして、Premiere Proのプロジェクトに素材として取り込む流れだ。

医療系動画なら「解剖図風のイラスト」「リハビリ運動をしている患者のイラスト」といったプロンプトを試してみると、かなり使えるクオリティの素材が出てくる。

② Premiere Proの「生成延長」機能でクリップを延ばす

Premiere ProにはFireflyを搭載した「生成延長」という機能がある。映像クリップの先頭や末尾に数フレームをAIで自動生成して追加できる機能だ。

たとえば「もう少しこのシーンを長くしたいけど、元素材が足りない」というときに使える。Premiere Proのタイムライン上でクリップをドラッグするだけで、AIが自然な形で映像を延長してくれる。

Premiere ProとAdobe Fireflyの連携ワークフロー Firefly Web版またはPremiere Pro内でAI素材を生成し、動画編集に組み込む流れ Firefly Web版 テキストで画像生成 DL Premiere Pro 画像素材を読み込む 生成延長でクリップ拡張 動画を納品 商用利用OKで安心 または Premiere Pro 生成延長 クリップをドラッグして映像を自動延長 ※生成延長はインターネット接続が必要(クラウドAIモデルを使用)
Premiere Pro × Fireflyの主な連携パターン

医療系案件で実際に使ってみた:解剖図・リハビリ画像の生成

実際に自分がFireflyを使い始めたのは、医療系リハビリ動画の案件がきっかけだった。「視覚的にわかりやすい図を入れてほしい」というクライアントの要望に応えるために試してみた。

使ったプロンプト例

プロンプトは日本語でも英語でもOK。自分は日本語でそのまま入力してうまくいった。以下は参考にしたプロンプトの例だ(英語版も併記しておく)。

用途 プロンプト例(日本語) ポイント
解剖図風イラスト 肩関節の解剖図、フラットデザイン、教育用イラスト 「フラットデザイン」で図解っぽい仕上がりに
リハビリ中の患者 理学療法士とリハビリをしている外国人患者、クリニックの室内 人種・場所を具体的に指定するとイメージに近づく
リハビリ器具 リハビリ器具のアイソメトリックイラスト、白背景 白背景にするとテロップと合わせやすい
筋肉・骨格の図解 人体の筋肉図、インフォグラフィック風、シンプルな配色 「インフォグラフィック風」で動画向けの雰囲気に

最初に触ったとき、正直「こんなに簡単でいいの?」と思った。プロンプトを入れてボタンを押せば、数秒で4パターンが表示される。Premiere Proを使い始めたときの「操作が難しい」という感覚とは全然違った。

外国人のリハビリ画像が必要なとき

医療系の動画には、患者の多様性を表現するために外国人モデルの画像が必要になることがある。これをフリー素材サイトで探すと、使えるものがなかなか見つからない。

Fireflyなら「リハビリ中の中年の外国人患者、理学療法士と一緒、クリニックの室内」のように日本語で指定すれば、希望に近い画像がすぐ生成できる。肌の色・年齢・体型なども指定できるので、クライアントのターゲット患者層に合わせた素材を作れる点が大きかった。

クライアントに「この画像どこの?」と聞かれたらこう答える

Firefly導入後、クライアントに画像の出所を聞かれたことが何度かある。そのたびに「Adobe Fireflyで生成した画像です」と答えると、たいていの反応はこうだ。

「ああ、Adobeなら安心ですね」

PhotoshopやIllustratorでおなじみのAdobeブランドが、ここで効いてくる。「生成AI」という言葉に敏感なクライアントでも、同じAdobeの製品という説明で納得してもらいやすい。

さらに一歩進めて「商用利用が保証されていて、著作権の学習データもAdobeが許可を取ったものだけを使っています」と説明すると、より安心してもらえる。

💬 実際の説明トーク例

「今回の解剖図はAdobe Fireflyというツールで生成しました。Premiere Proと同じAdobeの製品で、学習データはAdobeが許可を得た素材のみを使用しています。商用利用OKと明記されているので、患者向けコンテンツにも安心してお使いいただけます。」

Fireflyを使うときにやりがちなミス

ミス① プロンプトが漠然としすぎる

「医療の画像」のような短すぎるプロンプトだと、意図と全然違う結果が出やすい。「膝関節の解剖図、フラットベクター、教育用、文字なし」のように、スタイルや用途・除外したい要素まで指定するとぐっと精度が上がる。

ミス② 生成された画像をそのまま使う

Fireflyの画像は使えるクオリティだが、そのまま動画に貼っても「素材感」が出てしまうことがある。Photoshopの「生成塗りつぶし」と組み合わせて、背景を消したり色調を合わせたりするひと手間が、プロっぽい仕上がりにつながる。

ミス③ beta機能で生成した素材を商用利用する

FireflyはAdobeの公式情報によると、ベータ(beta)表示のない機能で生成した素材が商用利用OKの対象だ。アプリ内で「beta」と表示されている機能は試験段階なので、商用案件には使わないほうが無難。

Firefly単体プランと Creative Cloud プラン、どっちで使う?

Fireflyを使うには大きく2つのルートがある。

プラン 特徴 向いている人
Creative Cloud(コンプリート) Premiere Pro・Photoshopなど全アプリ込み。標準生成機能は無制限利用可 すでにCC契約している動画編集者
Firefly単体プラン Fireflyだけを使いたい人向け。生成クレジット制(Standard/Pro/Premiumの3段階) 画像生成AIだけ試したい人

動画編集副業をやっていてPremiere Proを使っているなら、すでにCreative Cloudの契約があるはず。その場合は追加費用なしでFireflyが使えるので、使わない理由がない。

まとめ:副業編集者にFireflyをすすめる理由

  • 商用利用OKで、クライアントへの説明が明快にできる
  • 学習データの出所が明確で、著作権リスクが低い設計
  • Premiere Proと同じAdobeブランドなので信頼感がある
  • プロンプト入力だけで素材生成できる手軽さ
  • Creative Cloud契約済みなら追加費用ゼロで使える

医療系動画の案件は、使う素材に対してクライアントが敏感だ。「安心して説明できる素材」を持っておくことは、継続案件を維持するうえでも地味に大事だと感じている。

「生成AIって著作権が怖い」と思っていた自分が、今は「これ使えないの逆にもったいなくない?」と思うようになった。同じ境遇の30〜40代の副業編集者にこそ、試してみてほしい。


次のステップ

動画の見やすさを上げるには、Fireflyで作った図解素材と組み合わせるテロップ編集の工夫も重要です。以下の記事も参考にしてみてください。

Pan

はじめまして、Panです。
38歳、会社員として働きながら、副業で動画編集に挑戦しています。

これまで特別なスキルや実績もない状態からのスタートでしたが、
「このままでいいのか?」という不安から一歩踏み出しました。

現在は動画編集のスキルを学びながら、実際に案件に挑戦し、経験を積んでいる最中です。
まだまだ試行錯誤の段階ですが、未経験からでも一歩ずつ前に進めることを実感しています。

このブログでは、
・未経験から動画編集を始めたリアルな体験
・副業に挑戦する中で感じたこと
・失敗やつまずきも含めたリアルな過程

を中心に発信しています。

同じように「何か始めたい」と思っている方の
少しでも参考になれば嬉しいです。

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