動画編集を副業として始めたとき、正直に言うと、その先でこんな使い道があるとは思っていませんでした。
自分は会社員をしながら、動画編集の副業をしています。メインは医療系のYouTube動画の編集で、ツールはAdobe Premiere Proです。そしてもうひとつ、休日には小学生のバレーボールチームでコーチをしています。
この二つは、ずっと別々のものだと思っていました。ところがある日、副業で身につけたスキルがコーチ活動にそのまま使えると気づいたんです。しかも、想像していたよりずっと大きな効果がありました。
この記事では、試合のハイライトと一人ひとりのファインプレイ動画を作ったら、子どもたちがどう反応したのか、そして自分がなぜそれをやろうと思ったのかを書いていきます。
副業で動画編集を始めたものの「これって本業や家庭のなかで何か役に立つのかな」と感じている30〜40代の方に、ひとつの参考になれば嬉しいです。
きっかけ:試合が終わったあと、子どもたちに何が残るのか
小学生のバレーボールは、試合が終わると、その日の結果だけが残りがちです。勝った、負けた、あそこでミスをした。コーチとして声をかけるときも、どうしても「次はここを直そう」という話が中心になります。
もちろん課題を伝えることは大切です。でも子どもたちの側から見ると、試合の直後は緊張と疲れで、自分の良かったプレーをほとんど覚えていなかったりします。
「今日、あのレシーブすごかったよ」と口で伝えても、本人にはピンときていないことがある。自分がどれだけいいプレーをしたのか、自分の目で見る機会がない。そこがもったいないなと、ずっと思っていました。
そこで、「それなら動画にして見せればいいのでは」と考えました。副業で毎日のように動画を編集しているので、素材さえあれば形にするのは得意なはずです。
作った動画:試合のハイライトと、一人ひとりのファインプレイ
作ったのは、大きく分けて二種類です。
- 試合のハイライト動画:試合の流れの中で、印象に残ったシーンをまとめたもの。次の試合に向けて「ここが良かった」「ここをもっと伸ばそう」と確認できる内容にしました。
- 一人ひとりのファインプレイ動画:チームの子ども全員それぞれの、いいプレーだけを切り出したもの。
特にこだわったのは、二つ目の「一人ひとり」の動画です。エースだけでなく、レシーブで粘った子、サーブを決めた子、声を出してチームを引っ張った子。全員に「自分のシーン」があるようにしました。
チーム全体のハイライトだけだと、どうしても目立つプレーをした子ばかりが映ります。でも、バレーボールは全員で作るスポーツです。だから「あなたのプレーもちゃんと見ていたよ」というメッセージを、全員に届けたかったんです。
子どもたちの反応:「すげー」と言って、自分のプレーに見入っていた
完成した動画を見せたとき、子どもたちの反応は自分の想像以上でした。
まず出てきたのは「すげー」という声。そして、自分のシーンが近づくと「私のところ見せて」と言って、画面に身を乗り出してきます。自分のファインプレイが流れると、そのまま見入ってしまう子もいました。
自分のプレーを、外側から見る機会はあまりありません。プレーしているときは夢中なので、自分がどんな動きをしているのか分からないものです。それが映像になって、しかも「いいプレー」だけを集めてもらえている。それは子どもたちにとって、新鮮で嬉しい体験だったのだと思います。
そして今では、子どもたちから「また動画作れ」とうるさく言われるようになりました(笑)。コーチとしては嬉しい悲鳴です。
コーチと選手の信頼関係は、「見てもらえている」という実感から生まれる
自分は、コーチと選手の間で一番大切なのは信頼関係だと思っています。技術を教えるのも、厳しいことを言うのも、信頼があってはじめて相手に届くからです。
そして子どもにとっての信頼は、「この人は自分のことをちゃんと見てくれている」という実感から生まれるのではないでしょうか。
ファインプレイを編集して動画にする作業は、まさに「あなたを見ていたよ」を形にする作業です。素材を見返しながら、一人ひとりのいいプレーを探し、切り出し、つなげていく。その過程で、自分自身も子どもたちの良さを改めて発見できました。
そして、動画を見た子どもたちの中に「見てもらえている、私はできるんだ」という自己肯定感が少しでも生まれてくれたら。それが、この動画づくりでいちばん願っていることです。
勝つための技術指導ももちろん大事です。でも、自信を持ったプレーは、それだけで一段伸びるものだと感じています。
副業の動画編集スキルが活きたポイント
ここからは、副業で身につけたスキルが具体的にどう役立ったのかを整理します。
1. 素材の中から「使う場面」を選ぶ目
動画編集で一番大切なのは、実はテクニックよりも「何を使って、何を捨てるか」の判断です。副業で医療系の動画を編集していると、長い素材の中から必要な場面だけを選ぶ作業を何度も繰り返します。その感覚が、試合の映像からファインプレイを探すときにそのまま活きました。
2. 見やすく整えるテロップ・見せ方の感覚
ひと目で内容が伝わるように整える感覚も、副業の経験がそのまま使えます。子ども向けの動画では、文字は少なく大きく、短く伝えるのがコツです。テロップの作業を効率化する方法は、こちらの記事にまとめています。
3. 雰囲気を作るBGMの選び方
BGMがあるだけで、同じ映像でもぐっと「かっこいい動画」に見えます。子どもたちが「すげー」と言ってくれた理由のひとつは、間違いなくBGMの力もあったと思っています。選び方の基本は医療系動画でも同じなので、こちらも参考にしてみてください。
4. 短時間で仕上げる作業の慣れ
コーチ活動は、本業や家庭の合間にやることです。だからこそ、副業で鍛えた「無駄なく手を動かして仕上げる」感覚が助けになりました。凝りすぎず、でも子どもたちが喜ぶレベルにはしっかり仕上げる。その線引きも、経験の積み重ねで少しずつ分かってきます。
やりがちなミス:子ども向けの動画で気をつけたいこと
自分なりに気をつけていること、そして人に勧めるなら注意してほしいことをまとめます。
- ミスのシーンを入れない:この動画の目的は「自信をつけること」です。反省会用の映像とは分けて考えます。
- 目立つ子だけに偏らない:全員のシーンが入るように、素材をあらかじめ確認しておきます。
- 長くしすぎない:小学生は長い動画だと集中が切れます。短くテンポよく、が基本です。
- 公開範囲に気をつける:子どもの映像を扱う以上、チーム内・保護者内など、見せる範囲は必ず確認してから共有します。SNSなどへの公開は慎重に判断してください。
シーン別早見表:コーチ活動で使える動画のアイデア
| シーン | 作る動画 | ねらい |
|---|---|---|
| 試合の翌週 | 試合のハイライト | 良かった点を全員で共有する |
| 次の試合の前 | 次戦に向けた確認動画 | 伸ばしたいポイントを確認し、気持ちを上げる |
| いつでも | 一人ひとりのファインプレイ集 | 自己肯定感を育て、信頼関係を深める |
| 大会の節目 | チームの記録動画 | 仲間との思い出を残す |
まとめ
- 副業の動画編集スキルは、意外な場所でそのまま役に立つ
- 試合のハイライトと、一人ひとりのファインプレイ動画を作って子どもたちに見せた
- 子どもたちは「すげー」と喜び、自分のプレーに見入り、今では「また作れ」とせがまれている
- コーチと選手の信頼関係は「ちゃんと見てもらえている」という実感から生まれる
- ファインプレイの動画は、子どもたちの自己肯定感を育てるきっかけになる
動画編集の副業は、お金を稼ぐためだけのものではないと、今回あらためて感じました。身につけたスキルが、家族や地域、身近な子どもたちのために使える。それが分かっただけでも、この副業を始めてよかったと思っています。
もし今、副業で動画編集を始めたばかりで「この先どう活かせるんだろう」と迷っているなら、まずは身近な誰かを喜ばせる動画を一本作ってみてください。思わぬところに、スキルの使い道が見つかるかもしれません。

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